傾斜が急な山が多い日本は、台風や大雨、地震などが引き金となって、がけ崩れや土石流、地すべりなどの土砂災害が発生しやすい環境にあります。
そこで、台風や大雨などで注意すべき土砂災害から身を守る3つのポイントについて解説していきたいと思います。
目次
年間1000件発生!日本全国で約67万区域もある危険な場所
土砂災害が発生するおそれのある区域は、日本全国で約67万区域にのぼると推計されていて(※平成28年度末時点の推計値)、過去10年間の土砂災害発生件数を見てみると、平均して1年間におよそ1,000件もの土砂災害が発生しています。
国土交通省によると、平成28年の土砂災害の発生件数は1,492件で、下の地図は各都道府県別の発生件数を示したものです。
これを見ると、ほとんどの都道府県で土砂災害が発生していることがわかります。
画像引用:国土交通省「平成28年の各地の土砂災害発生件数」より
土砂災害から身を守るために知っておきたい4つのポイント
土砂災害から身を守るためには、私たち一人ひとりが土砂災害に対して備えておく心構えが必要です。
そのためには最低限必要な3つのポイントを知っておく必要があります。
住んでいる地域が「土砂災害警戒区域」かどうか確認しておく
自分の住んでいる地域や職場のある地域が「土砂災害警戒区域」に指定されている場合、市区町村のホームページにあるハザードマップに記載されています。
「土砂災害警戒区域」が載っているハザードマップは、国土交通省が運営している「わがまちハザードマップ」に載っていて、簡単に検索することができます。
詳しい使い方はこちらに載せていますのでご覧ください。
ただし、ハザードマップに載っていないことがあっても、付近に危ないがけや小川や沢がある場合には注意が必要です。
危ないと感じたら、早めに自主的に避難したり近づかないようにしましょう。
台風が接近してきたら「土砂災害警戒情報」に注意する
台風が接近してきたら「土砂災害警戒情報」に注意しましょう。
土砂災害警戒情報は、大雨によって土砂災害が発生する危険度が高まったときに、市町村長が避難勧告などを発令する際の判断や住民の自主避難の参考になるように、都道府県と気象庁が共同で発表する防災気象情報です。
防災気象情報は気象庁のホームページや各市区町村のホームページでも確認ができますが、テレビやラジオでも発表されますので、携帯ラジオを準備しておくといいでしょう。
都道府県や市区町村によっては、Twitterの公式アカウントを持っている自治体もありますので、スマートフォンやタブレットに登録しておくと万が一のときに役立ちます。
土砂災害警戒情報が発表されたら早めに避難する
住んでいる地域で土砂災害警戒情報が発表されたら、安全な場所や指定されている避難所に早めに避難しましょう。
土砂災害警戒情報は、ホームページやテレビ・ラジオ以外でも、市区町村の防災無線や広報車の呼びかけなどでも発表されますので注意しておきましょう。
また、お年寄りや障害のある人など避難に時間がかかる人は、移動時間を考えて早めに避難させることが大事ですので、万が一の行動を家族や近所の人たちと話し合っておくことも大切です。
もし、どうしても避難場所への避難が難しいときは、近くの頑丈な建物の2階以上に緊急避難するか、それも難しい場合は家の中でより安全な場所(がけから離れた部屋や2階など)に避難しましょう。
土砂災害の前兆減少にも注意する
土砂災害には、「がけ崩れ」「地すべり」「土石流」の3つの種類があり、これらが発生するときには、何らかの前兆現象が現れることがあります。
以下に挙げたものは主な前兆現象です。
このような前兆現象に気がついたら、周囲の人(特に体の不自由な高齢者など)にも知らせ、いち早く安全な場所に避難することが大事です。
土砂災害の種類 | がけ崩れ | 地すべり | 土石流 |
---|---|---|---|
特徴 |
斜面の地表に近い部分が、雨水の浸透や地震等でゆるみ、突然、崩れ落ちる現象。 崩れ落ちるまでの時間がごく短いため、人家の近くでは逃げ遅れも発生し、人命を奪うことが多い。 |
斜面の一部あるいは全部が地下水の影響と重力によってゆっくりと斜面下方に移動する現象。 土塊の移動量が大きいため甚大な被害が発生。 |
山腹や川底の石、土砂が長雨や集中豪雨などによって一気に下流へと押し流される現象。 時速20~40kmという速度で一瞬のうちに人家や畑などを壊滅させてしまうことも。 |
主な前兆現象 |
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避難する際には必要最低限の貴重品や、LEDライトやラジオなどの防災グッズを携帯することが大切です。
避難所などでの生活を考えた場合、寝袋や携帯電話などの充電器なども用意する必要があります。
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